「全国同人誌即売会連絡会 勉強会」のお知らせ

2008年5月

 昨年秋からはじまった、東京都立産業貿易センターに端を発した青少年健全育成条例に由来する「有害図書」問題や「児童ポルノ法」の改定等、我々同人界を取り巻く環境がめまぐるしく変化しています。高市早苗議員らによるネット上の有害情報規制も同人活動に大きな影響を与える可能性があります。5月10日現在、報道その他の情報収集結果から判断する限り、今回の「児童ポルノ法」改定は「単純所持禁止」が主要なテーマとなり、マンガ・アニメ・ゲーム等が規制の対象になることは無いようです。とはいえ、仮に今回の改定が「単純所持禁止」に関わるものに留まったとしても、警察による捜査権の濫用の危険性や冤罪の危険もある以上、表現のための場を催す主催者としてのみならず、一市民としての立場からも歓迎できる事態であるとは言えませんし、次の「可能性」として、マンガ・アニメ・ゲーム等を規制対象とする「児童ポルノ法」の改定が起こりうることも視野に入れておく必要があります。
 「児童ポルノ」「チャイルドポルノ」というと、未だにごく限られた範囲での規制なのではないかという印象を抱かれる方も多いのではないのでしょうか。しかし、その規制対象が18歳未満の男女であることに加え、肌の一部(現状ではスクール水着が該当する場合もあるようです)が露出していることも含んでいます。無論、現実に存在する児童に対する虐待行為が許されざるものであることは書き記すまでもないことですが、1955年に著作された小説「ロリータ」(1962年スタンリー・キューブリックにより映画化)に代表される、架空の登場人物による小説や、マンガ・アニメ・ゲーム等といった「空想」の産物までもが規制の対象になるような事態に対しては、その登場人物がいかなる年齢設定であろうとも、「表現の自由」を考慮しつつ大いに疑問を呈していかなければならないでしょう。
 「児童ポルノ法」の規制にマンガ・アニメ・ゲーム・小説等の創作物が含まれる「可能性」が現実のものとなった場合、表現の世界にどのような混乱や障害が生じるのかを、今のうちに皆さんと共に探っていかなければならない時期が来たように思います。仮に創作物にまで「児童ポルノ法」の規制が及んだとしたら、それは同人誌即売会の終焉を意味するといっても過言ではないでしょうし、ありとあらゆるメディアの衰亡につながることが予想されるのです。
  上記の状況を踏まえ、今回の「勉強会」は「青少年健全育成条例」と「児童ポルノ法」をメインの議題として、ネット上の「有害情報の規制」についても触れることにしました。

 また、今回の「勉強会」は、より多くの即売会主催者の皆さんにご参加いただきたいと考え、連絡会に加入されていない即売会主催者の方も参加可能と致します。詳細は下記の申込方法の項をご覧下さい。皆さんのご参加を心よりお待ちしております。全国同人誌即売会連絡会発起人/ガタケット事務局 代表 坂田文彦

「全国同人誌即売会連絡会 勉強会」開催概要

日 時:2008年6月7日(土)13:30~17:30
場 所:都内新宿区 ※申込者には直接お知らせします。
参加費:1000円

<パネリスト>
坂田文彦(連絡会発起人/ガタケット代表)
山口貴士(弁護士)
永山薫(批評家/「マンガ論争勃発」編著者)
兼光ダニエル真(翻訳家/NGO-AMI代表)

<申込方法>
1、会議室は定員制のため事前申込を頂いていない方にはご参加いただけません。
2、参加を希望される方は、下記より申込書をダウンロードし、必要事項を書き込んで、勉強会参加費1000円(郵便小為替)と共に申込先までお送りください。(〆切 5/31)
 ※6/7 勉強会申込書
 〒950-0923 新潟県新潟市中央区姥ヶ山2-10-11 ガタケット事務局内「即売会連絡会」係
3、会議室のキャパシティの都合により、今回の参加は即売会主催者(スタッフ)のみとさせていただきます。サークル参加、一般参加の方にはご参加いただけませんので、どうかご了承ください。

※この勉強会の案内を郵送でお送りした各イベント主催団体の皆様へ。(追記)
お申込の受領確認は基本的に差し上げておりません。開催案内に記載された会場へ直接お越しください。