「東京都青少年健全育成条例」の新改定案についてと12月6日の緊急シンポジウムのお知らせ

 昨日より開会された平成22年(2010年)度第4回都議会定例会に「東京都青少年の健全な育成に関する条例」の新しい改定案が提出されました。

 6月に否決されたにも関わらず、きちんとした関係諸団体との協議もほとんど行わず、再度新たな改定案を提出されることは、拙速と言わざるを得ませんし、新改定案の具体的な内容についても、定例会の直前の11月22日にやっと公開されたものであり、このままでは十分な審議が尽くされない恐れがあります。

 また、新改定案の内容についても、「刑罰法規に触れる性交若しくは性交類似行為」という文言は非常に広汎なものを対象に含み、「不当に賛美し又は誇張」という文言が、何を規制対象とするのか、きわめて曖昧です。このような条項は、恣意的な運用を招く恐れがあります。それだけではなく、創作物の内容が現在の刑罰法規に違反するかどうかを検討するかどうか自体に違和感を感じます。創作物であれば、時代・場所の設定は自由ですし、架空の時代、そもそも、全く価値基準の異なる世界を舞台とする場合もあるでしょう。このような創作物について、現在の刑罰法規を基準として、規制の対象とすることには問題があります。さらに、「刑罰法規に触れる性交若しくは性交類似行為」は要するに犯罪ということです。しかしながら、犯罪を犯すことと、「犯罪について表現すること」は違います。「犯罪について表現すること」を規制の論拠にすることは、危険な一線を越えることになります。暴力、薬物、組織犯罪等、何でも規制の対象となることを可能にする危険な先例を造ってはいけません。

 その他、様々な問題点がありますが、この連絡会の顧問弁護士でもある山口貴士弁護士の言葉をお借りするならば、新改定案は「非実在犯罪」規制、ということになるかと思います。しかも、「漫画、アニメーションその他の画像(実写を除く。)」という形で、マンガ・アニメ・ゲーム等が槍玉にあがっていることについて、何ら合理的な説明もなされていません。

 従前より、「全国同人誌即売会連絡会」は、創作物の表現規制には反対しておりますし、こうした問題は法令・条例等で規制するより、創作者の自主的な取組みが重要というスタンスにあります。当然ながら、今回の新しい改定案についても、これに反対するものです。

 なお、山口貴士弁護士、ならびにこの問題に最初に声を上げた一人、藤本由香里(明治大学准教授)さんらが主催する緊急シンポジウムが下記に開催されることになりました。

「『非実在青少年規制』改メ『非実在犯罪規制』へ、都条例改正案の問題点は払拭されたのか?」

主催:「東京都青少年健全育成条例改正を考える会」
<共同代表:藤本由香里(明治大学准教授)・山口貴士(弁護士・リンク総合法律事務所)>

協力:「コンテンツ文化研究会」

日程:2010年12月6日(月曜日)
場所:なかのZERO西館小ホール(東京都中野区中野2−9−7)
   ※JR・地下鉄「中野」駅南口下車 徒歩8分
   http://www.nices.jp/facility/zero/index.html
時間:18時30分(開場)
   19時〜(開会)
   ※全席自由。途中の入退場も自由です。
閉会:21時15分(予定)
料金:入場無料ですが、当日カンパ箱を設置しますので、ご協力いただけると幸いです。

▼ゲストなどは決まり次第、山口弁護士のブログで随時報告します。
http://yama-ben.cocolog-nifty.com/ooinikataru/2010/11/post-8546.html

 都条例の改定問題は、私たち同人誌に関わる人間にとって、大変重大な問題であり、また、この問題を広く世間にアピールするためにも、多くの人にこの集会に参加していただきたく思います。

2010.12.01  
全国同人誌即売会連絡会  

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